正弦条件

 

一般的にレンズの結像においては,以下のような図を使います.

凸レンズをこのように書くか,線で書くことが多いですね.しかし...
 理想的な結像においては,結像に関わるすべての光線は同じ光路長を有する
ことになります.上図では,レンズの中央から離れるほど,光路長が長くなりますね.

そこで,
 物体から発せられる光線,結像する光線を同じ波面で描く
とわかりやすくなります.

中央のレンズがまるで凹レンズみたいですが,あくまで波面を元にした図です.

このような条件のことを,正弦条件,と呼びます.
では,どのような特徴があるのでしょう?

レンズの径をLとすると,

となります.物体からの広がり角をθ1,結像方向の角度をθ2とします.

\(\Large S_{1} \cdot sin \theta_{1} = S_{2} \cdot sin \theta_{2} \)

が成り立ちます(レンズの厚みを無視しています).

 

拡大率

拡大率は,

\(\Large M = \frac{S_{2}}{S_{1}} = \frac{sin \theta_{1}}{sin \theta_{2}} \)

となります.ここで空気中とすると開口数,NA,で書き直すと,

\(\Large M = \frac{NA_{1}}{NA_{2}} \)

となります.

 

F値

顕微鏡では,あまり使われませんが,カメラなどでよく使われるのがF値です.

\(\Large F = \frac{S_{1}}{2L} \)

\(\Large L = S_{1} sin \theta_{1} \)

なので,

\(\Large \frac{L}{S_{1}} = sin \theta_{1} = NA_{1} \)

従って,

\(\Large F = \frac{1}{2 NA_{1}} \)

となります.

 

こちらのサイトを参考にさせていただきました.

光学 講義ノート 黒田和男

ニコンイメージングサイエンス研究部門

 

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